瓦屋根の修繕

2016年05月19日

 とある企業から、昭和中期の、戦後すぐに建てられたであろう木造瓦葺き平屋建て
倉庫の屋根漏水修理のご依頼がありました。既に何度か屋根修理は施されており瓦の色も
一部いぶし銀と黒色のまちまちでした。
 
 昭和の面影を残す大型木造倉庫であり、残存させることに意義ある建物であるとのこと
でした。 しかし、建物は老朽化し、屋根に上がると棟瓦も波打ち、平瓦も浮きが激しい
状態でした。意義ある貴重な建物であれば応急処置では済まされません。
されどお客様はお金を掛けたくない。漏水している部分のみ修理してくれとのご依頼です。
一番難しいパターンです。既に瓦の表面の釉薬は劣化し 雨が瓦に浸み込む状態です。
瓦職人を入れ破損瓦を差し替え、浮きを整正し修理させていただきました。
これでもう漏りません。 
 
 建物内部の小屋裏には立派な桁材、横架材、斜材がトラス状に組まれています。
惜しいのは壁量が不足していることです。倉庫ですから中はがらんどうです。
古き外観を維持したままの耐震補強も難しいとの事。大震災が来ないことを祈ります。
 
 名古屋市長の昭和初期の建物を残そうとする気持ちはわからないではないですが
所有されておられる方の維持管理費も大変なことであると感じました。


ページの上部へ