全館床冷房が川床のような心地よさを生む訳

2016年08月07日

光冷暖 建築家と創る家

こんにちは。
7月末の内覧会に見えた方のコメントで、光冷暖の『全館床冷房』に『扇風機』を組み合わせれば、おそらく『京都の川床』のような気持ちよさだね。と云われました。



『床冷房』とは聞きなれない方も多いと思いますので、その『床冷房』の原理を説明しますと、
『熱力学の第2法則』では、熱は高い所から低い所へと移動します。

上の写真では床の温度は21℃台のため、ここに座れば、より温度の高い人体から床に向かって熱が移動することがわかります。
では、体が心地よいと感じているものは何か、というと、それは、体からの放熱速度が関係しています。体表面から出て行く熱量が多いと寒いと感じ、出て行く熱量が少ないと熱いと感じます。
さらに看護の教科書によれば、「普通の室温では、裸の場合、60%は「赤外線」による輻射で失われる。
安静時の体温の放散量がもっとも多いのは、この輻射によるものである」、とあります。
「しかし、気温が35℃以上になると、体からの輻射による放熱がゼロになって、蒸発のみで熱の放散が行われる」、とも書かれています。
またまた微妙な話になりますがが、輻射の場合には、シュテファン-ボルツマンの法則のように、絶対温度で遠赤外線の輻射量が決まるため。
体の周囲からも、その周囲の温度によって決まる遠赤外線が出ているから、体はその遠赤外線を受けとります。

温度差=(体の温度-周辺の温度)を体は感じます。
つまり周辺の温度が高いところをあると、暑く感じ、低い所があれば涼しく感じます。

床は一般的な家で100㎡~200㎡あります。もしその床が全て温度が低ければ、その部分に対して体から逃げる熱も大きく 涼しく感じる。ゆえに快適。



光冷暖は風はありませんが、静電気が無いため、室内の空気が帯電せず、爽やかな空気環境をキープします。
さらに上記の説明のように、床が広い面積で冷やされるため、体からの熱移動が周囲に対して均等に効率よく働くため、温度ムラも少なく長時間いても体がストレスを感じないのです。
その自然な心地よい涼感を『川床』に例えられたと思います。

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